現場レポート:配管の実態調査
📍 現場レポート

築35年超マンション、配管の「実態」を見てきました。

久保田 猛彦 / ライフスタイルアドバイザー 📅 2026年5月11日 ⏱ 約6分で読めます
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今回は、築35年を超える分譲マンションの共用部で実施した給水設備の現地調査に立ち会ってきました。 機械室から屋上の高架水槽まで、図面だけでは伝わらない配管の「実態」を、写真と所見を交えてそのままお伝えします。

今回の調査について

機械室・受水槽まわりの調査状況
▲ 機械室の受水槽まわり。外側からは異常がわかりにくいが、配管内部は別の話。

今回お邪魔したのは、築35年を超える分譲マンションの共用部です。 共用部の給水管更新工事に先立ち、地下機械室・受水槽室、そして屋上の高架水槽まわりを対象に現地調査を実施しました。

共用部の給水設備は管理組合が主体となって計画的にメンテナンスするものですが、内部の劣化は外から見ただけでは分かりません。 実際に機械室を開け、屋上に上がってみて初めて見えてくる「実態」がありました。

機械室・バルブ類で見えてきた「配管の実態」

止水弁・減圧弁の腐食状況
▲ 主管の止水弁・減圧弁まわりの著しい錆。保温材の剥落も顕著だった。

機械室に入って早々に気づいたのは、受水槽まわりの給水管を覆う保温材(グラスウール・アルミ箔)が全体的に劣化・剥落していたことです。 保温材の下では、配管本体の腐食が進行している懸念もありました。現地で確認・整理できた点をまとめると、次のような状態でした。

  • 受水槽まわりの給水管・保温材が全体的に劣化し、配管本体の腐食進行が懸念される
  • 主管の止水弁・減圧弁まわりに著しい錆を確認。継手部の腐食が配管本体にまで及ぶ箇所も
  • 受水槽ピット内部にも水跡・錆跡があり、下部配管の劣化が進行
  • 受水槽本体・銘板、周辺の配管配置そのものには漏水などの異常は見られなかった
  • ポンプ制御盤・動力分電盤の動作表示は正常。電気設備側の異常はなし
久保田 猛彦 ライフスタイルアドバイザー
保温材が全体的に劣化しているケースでは、その下で配管本体の腐食が進行していることが少なくありません。 特に止水弁・減圧弁にここまで錆が及んでいる場合、止水機能そのものの低下が懸念されるため、更新工事にあわせて全数交換をお勧めしています。

屋上・高架水槽の深刻な劣化

高架水槽の腐食状況
▲ 高架水槽の側面。ボルト接合部からの錆の流れ出しが著しく、早急な更新が必要な状態だった。

屋上に上がって特に深刻だったのが、高架水槽の状態です。本体外面全体にわたって腐食・変色が進んでおり、 なかでもボルト接合部からの腐食は特に著しいものでした。水槽を支える鉄骨架台にも錆が広がっており、構造的な安全性の観点からも早急な対応が必要と判断しました。

屋上の露出配管(白塗装)にも全体的な錆が見られ、壁を貫通する配管立上り部のまわりにも腐食の跡や防水処理の経年劣化が確認されています。

調査結果を区分で見る

今回の調査箇所と、それぞれの判定結果をまとめます。

📊 調査結果 — 築35年超 / マンション共用部(給水設備)
機械室 給水管・保温材
要対応
保温材劣化・剥落、腐食懸念
止水弁・減圧弁
要更新
著しい錆、全数交換を推奨
高架水槽・屋上配管
要更新
腐食著しく早急な対応が必要
ポンプ制御盤・電気設備
異常なし
動作・外観ともに正常

参考:築年数別・配管の寿命の目安

「うちはまだ大丈夫」と思っている方に、配管の一般的な寿命をお伝えします。 これはあくまで目安であり、使用頻度・水質・施工品質によって前後しますが、参考としてお読みください。

配管の種類寿命の目安備考
硬質塩化ビニル管排水管 30〜40年 変色・硬化が出始めたら早期対処を。
銅管給水管 20〜30年 緑青が出てきたら腐食が進んでいるサイン。
ポリエチレン管給水管・近年多い 30年以上 目安は長めだが、接続部の劣化に注意。
架橋ポリエチレン管最新型 50年以上 2000年代以降の物件に多い。
💡 ポイント

配管の素材は築年代によって異なります。1990年代〜2000年代築のマンションは銅管・硬質塩化ビニル管が多く、今まさに「交換を検討すべき時期」に差し掛かっています。

専有部でも進む配管の老朽化

共用部の調査とあわせて、専有部(各住戸内)の給湯・給水管更新のご相談も並行して進めていました。 ある一室では、給湯管(銅管)・給水管(鉄管)ともに経年劣化が進んでおり、銅管・鉄管などを「架橋ポリエチレン管・塩ビ管に交換する」ご提案をしています。

天井裏や壁内に隠れた配管は、既存管を無理に撤去せず新しい配管を通す「更新工法」を採用することで、内装の解体を最小限に抑えられるケースが多くあります。 共用部・専有部を問わず、築30年を超えるあたりから配管の更新ニーズが重なって出てくることを、今回の調査であらためて実感しました。

共用部と専有部、あわせて点検したい理由

共用部の工事や調査で専門家が現地に入るタイミングは、普段は目にすることのない設備の状態をまとめて確認できる良い機会でもあります。 住民の方の「住まいへの意識」も高まりやすく、管理組合・理事会との相談窓口も一本化されているこの時期に、専有部もあわせて点検するのが効率的です。

まとめ:住民の方へ伝えたいこと

今回の調査では、共用部の給水管・保温材、止水弁・減圧弁、そして屋上の高架水槽・屋上配管について、いずれも早急な更新が必要という結果になりました。 一方でポンプ制御盤などの電気設備は正常に稼働しており、すべてを一律に交換するのではなく、劣化の状況に応じて優先順位をつけて更新していくことが重要だと感じています。

築年数の経ったマンションにお住まいの方は、共用部・専有部を問わず、一度配管の状態を確認してみてください。 見えない場所だからこそ、気づいた時には手遅れになっていることがあります。

✅ この記事のまとめ

①保温材の劣化は配管内部の腐食のサインになりやすい ②止水弁・減圧弁は腐食が進みやすく優先的な更新を ③高架水槽は構造安全性の観点からも早期対応が必要 ④専有部の配管も同時期に劣化が進みやすい ⑤無料相談・診断はAIチャットまたはお電話で

久保田 猛彦
ライフスタイルアドバイザー / 株式会社アンスール
水回り商材・リフォーム・建物診断の実務経験をもとに、マンション住民・管理組合・工務店に対して中立な立場でアドバイスを行う。 AI・ITを活用した新しい建設業のあり方を実践中。東京・神奈川エリアを中心に活動。

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